007ジェームス・ボンドだけじゃない、日本の中年サラリーマンに捧ぐ諜報部員『チャーリー・マフィン』
ブライアン・フリーマントル作『消されかけた男』は
イギリス政府の諜報部スパイ小説です。
イギリスの諜報部スパイといえば、
007でお馴染みのジェームス・ボンドが思い浮かびますよね?
しかし、この『消されかけた男』は、
ちょっと変わっていて、スパイ小説の中でも秀逸なんです!!
出てくる主人公はよれよれの背広を着て、
ハッシュパピーの靴を履いている中年のチャーリー・マフィン...
英国情報部の腕利き諜報部員なんですが、部の体制が変わってしまい、
新しい上司とはソリが合わないために、窓際に追いやられる。
そしてチャーリーは“捨て駒”として敵国側に売られてしまうハメに、
しかし持ち前のサバイバル能力を発揮して見事生き延びるんですが...
さらに無理難題を上司から命令されるチャーリー?!
まさに“消されかけた男”チャーリーは、全然うだつの上がらない風貌で、
上司や後輩からも軽んじられている、まさにその設定は
日本の中年サラリーマンの悲哀をそそるようで共感してしまいます(笑)
そんな彼に会った多くの人は“無能な人物”といいますが、
それがチャーリーの隠れ蓑であり、
周囲が彼に油断している間、綿密な観察を行い、
事実と見せかけをより分け、
さまざまな情報を巧みにコントロールしながら任務を遂行してしまう。
さりげないところに伏線が隠されていて
2度3度読んでみて気が付く細やかなプロット!!
そして最後に驚くべき結末が待っている...
新潮文庫本ですが、探さないと見つかりません。
がしかし、これはおススメします!!
主人公のチャーリー・マフィンこそが、
日本のサラリーマンの道標ともいえるではないか(笑)と...
信用できるのは『常に自分だけ』で...
我が人生の勝ち残こりを賭け、頑張ろうではないですか!
ご同輩の皆さまへ